FXトルコリラの3つの魅力とスワップ金利運用する際のリスク対策
2018/08/21
FXでスワップ狙いの運用をするのであれば、高金利通貨を選ぶ必要があります。
高金利通貨には種類がありますが、今回はその中でも「トルコリラ」についてご説明致します。
トルコリラについて
トルコリラは、スワップ取引をする際に人気があります。
FXトルコリラの3つの魅力
トルコリラは、名前の通り「トルコ共和国」の現行通貨です。
FX取引におけるトルコリラには、3点の魅力があります。
- 高金利通貨であるため多くのスワップポイントが得られる
- トルコリラの魅力は、その金利の高さです。
- 各国の政策金利は、下記のようになっております。
(下記は2018年3月のものです)日本
米国
欧州
0.10 1.75 0.00 英国
カナダ
豪州
0.50 1.25 1.50 NZ
スイス
香港
1.75 -1.25 2.00 南アフリカ
中国
トルコ
6.50 4.35 8.00 ノルウェー
スウェーデン
メキシコ
0.50 -0.50 7.50 - 得られるスワップ金額は、2通貨間の金利差によって決定されますので、多くのスワップ金利収入が期待できます。
- 取引するための必要資金が少ない
- トルコリラ円の為替レートは、2018年4月現在は「1トルコリラ = 25円~27円」前後で変動しております。
- 間をとって「1トルコリラ = 26円」で「1ロット(1万通貨)」取引しますと、下記分の必要証拠金が必要です(倍率はレバレッジです)。
倍率 必要証拠金 1倍 26円 × 1万通貨 ÷ 1倍 = 260,000円 2倍 26円 × 1万通貨 ÷ 2倍 = 130,000円 5倍 26円 × 1万通貨 ÷ 5倍 = 52,000円 10倍 26円 × 1万通貨 ÷ 10倍 = 26,000円 25倍 26円 × 1万通貨 ÷ 25倍 = 10,400円 - 米ドル円では「1ドル = 109円前後」ですので、最大レバレッジをかけた場合「109円 × 1万通貨 ÷ 25倍 = 43,600円」必要となり、トルコリラはその「1/4」以下の資金で始められます。
- トルコ共和国の経済成長率が高い
- トルコ共和国は、新興国の1つであり、経済成長率が高いです。
- 近年は世界的なディスインフレによって、高金利だった通貨も現在では金利が低下しております。
- ディスインフレによる金利変動がある中で、トルコリラは未だ政策金利「8.0%」を維持しており、高水準のスワップポイントを得られる通貨として人気があります。
トルコリラと南アランドの比較
高金利通貨としてトルコリラ以外で有名なのが「南アフリカランド」ですが、金利差だけではトルコリラに軍配が上がります。
しかし、スワップ狙いで取引する際には、金利差だけを意識すればいい訳ではありません。
下記にトルコリラと南アフリカランドの比較を記載しておりますので、参考にしてください。
まず、為替レートから比較致します。
(いずれも出典はXE)
どちらもリーマンショックの影響を受け、それからは安値となっております。
特にトルコリラは、円高傾向が強い印象です。
次に、各FX会社のスワップポイントを比較します。
下記に各FX会社のスワップ比較表を記載しておりますので、参考にしてください。
(1万通貨を取引した場合で、多くは2018年4月23日のものですが、異なる場合は日時を記載しております)
FX会社 | トルコリラ | 南アフリカランド |
---|---|---|
FXプライムbyGMO(選べる外貨) | 82円 | 12円 |
ヒロセ通商(LION FX) | 83円 | 15円 |
外為どっとコム | 87円 | 16円 |
マネーパートナーズ(パートナーズFX) | 86円 | 17円 |
サクソバンク証券(スタンダードコース) | 83円 | 17円 |
サクソバンク証券(アクティブトレーダーコース) | ||
IG証券 | 非開示 | 非開示 |
マネックス証券(FX PLUS)※2018年2月14日 | 90円 | 14円 |
楽天証券(楽天FX)※2018年4月24日 | 75円 | 12円 |
楽天証券(楽天FXMT4)※2018年4月24日 | ||
SBI FXトレード※2018年4月17日 | 82円 | 14円 |
GMOクリック証券(FXネオ) | 80円 | 17円 |
GMOクリック証券(くりっく365) | 88円 | 16円 |
FXブロードネット(くりっく365) | ||
外為オンライン(くりっく365) | ||
岡三オンライン証券(くりっく365) | ||
みんなのFX | 100円 | 10円 |
インヴァスト証券(トライオートFX) | 85円 | 10円 |
マネースクウェア・ジャパン(M2JFX)※2018年4月20日 | 53円 | 5円 |
デューカスコピー・ジャパン※2018年4月20日 | 88円 | 16円 |
FXトレード・フィナンシャル(FXTF MT4 1,000通貨)※2018年04月28日 | 78円 | 6円 |
FXトレード・フィナンシャル(FXTF MT4 10,000通貨)※2018年04月28日 | ||
OANDA Japan FX 東京サーバー | 60円 | 11円 |
アヴァトレード・ジャパン(ACT・Forex) | 非開示 | 非開示 |
アヴァトレード・ジャパン(ミラートレーダー) | 非開示 | 非開示 |
FOREX.com(MT4) | 非開示 | 非開示 |
FOREX.com(ヴァントレ) | 非開示 | 非開示 |
フィリップ証券(フィリップFX ミニ口座) | 36円 | 9円 |
セントラル短資FX(FXダイレクトプラス) | 80円 | 10円 |
各会社で得られるスワップポイントが異なり、全ての口座でトルコリラに軍配が上がりますが、南アフリカランドのレートは「8円~9円」ですので、10万通貨などで取引しますと、南アフリカランドも非常に多くのスワップが得られます。
最後に、2国のGDPや経済成長率などを記載致します。
トルコリラ南アフリカランド
レート | 1トルコリラ = 25円~30円前後 | 1ランド = 8円~9円前後 | ||
---|---|---|---|---|
GDP(2017年の名目GDP) | 17位 849.48(単位: 10億円USドル) | 33位 349.30(単位: 10億円USドル) | ||
経済成長率(IMFによる2018年4月時点の推計) | 4.41% | 1.50% | ||
政策金利 | 8.00% | 6.50% | ||
国債格付け(2018年3月) | S&P | BB | S&P | BB |
フィッチ | BB+ | フィッチ | BB+ | |
ムーディーズ | Ba2 | ムーディーズ | Baa3 | |
地政学リスク | 戦争の影響を受ける可能性がある(隣国がシリアやイラクであるため) テロが発生することもあり政局不安定である |
周辺での紛争や内戦など国内情勢が不安定である |
上記を総合して、投資する通貨をお決めください。
スワップ狙いに潜むリスク
トルコリラの取引数量を増やせば、多くの年間スワップポイントが得られ、スワップ金利生活も実現できそうですが、トルコリラへの投資はそれなりのリスクも伴います。
レートが円高であること
トルコリラは「トルコリラと南アランドの比較」の為替レートを見ても、リーマンショックから円高傾向であるとわかります。
日本円の金利は「0.10%」、トルコリラの金利は「8.00%」ですので、スワップポイントを得るには日本円でトルコリラを購入しなくてはいけません。
ここで問題となるのが、為替変動のリスクです。
トルコリラは円高ですので、為替差益の観点からは「売り」でポジションを建てなくてはいけません。
下手をすれば大損する可能性もあるため、注意が必要です。
世界情勢などを知るためにも、積極的にニュースを気にかける必要もあります。
ロスカットリスクが高いこと
現在でもレートが不安定で相場予想が難しいため、トルコリラを所有することは常に高い差損リスクを抱えます。
差損が増え続ければ、ロスカットリスクが高まります。
スプレッドが広くなる場合があること
トルコリラは、新興国通貨です。
新興国通貨のスプレッドは、全体的にBidとAskで開く傾向があり、FX取引時には注意が必要です。
トルコリラも例外ではなく、メジャー通貨に比べて取引コストが高いです。
また、トルコリラはマイナー通貨ですので、流動性がメジャー通貨に比べて低いため、レートに少し変動があるだけで、スプレッドが広がる可能性もあります。
スワップ狙いの運用方法
FXでトルコリラに投資し、スワップ狙いの運用をするのであれば、運用方法について検討する必要があります。
運用方法を誤れば大損する可能性もあるため、リスク対策が必要です。
安全な資金管理方法
スワップ狙いで運用する際、トルコリラは為替差損が発生します。
ポジションの含み損が拡大していけば、大損する可能性もありますし、何よりもロスカットリスクが高まります。
ロスカットを防ぐためには、資金に余裕をもって運用することが大切です。
維持する証拠金維持率を決めておき、細かく入金を繰り返せば、大きくリスクは低減されます。
運用時のレバレッジ設定
トルコリラで安全に運用するのであれば、高レバレッジでの取引は控えるほうが無難です。
トルコリラはレバレッジを「1~3倍」で運用すれば、ロスカットリスクが低くなります。
トルコリラの複利運用
トルコリラは高いスワップポイントが得られ、複利運用をする際にも注目される通貨です。
複利運用につきましては、「FXで複利運用をするための基礎知識と成功するためのコツ」の記事にて記載しておりますが、上手く運用すれば単利運用よりも資産増加が加速します。
複利運用はスワップ狙いでの運用が多いため、トルコリラは投資対象の有力候補です。
おすすめ取り扱い業者
トルコリラで取引するには、取り扱っているFX会社を探し、更にスワップポイントやスプレッドなどの調査が必要です。
トルコリラ取り扱い業者とスワップ
トルコリラの取り扱い業者とスワップポイントは、「トルコリラと南アランドの比較」の項目に記載しております。
上記を見ますと、高水準であるのは「みんなのFX」、「マネックス証券(FX PLUS)」、「各業者のくりっく365」であり、単純に得られるスワップポイントのみを重視すれば「みんなのFX」がおすすめです。
なお、上記の比較は一時期のもので、変動する可能性もありますので、ご注意ください。
取り扱い業者のスプレッドと取引単位
各取り扱いFX会社のスプレッドと取引単位の比較は、下記のようになります。
FX会社 | スプレッド | 取引 単位 |
---|---|---|
FXプライムbyGMO(選べる外貨) | 4.8銭 原則固定 |
1,000 通貨 |
ヒロセ通商(LION FX) | 1.9銭 原則固定(例外あり) |
1,000 通貨 |
外為どっとコム | 1.9銭 原則固定(例外あり) ※2018年6月30日(土)午前5時55分まで |
1,000 通貨 |
マネーパートナーズ(パートナーズFX) | 1.9銭 原則固定 ※5/31まで |
10,000 通貨 |
マネーパートナーズ(nano) | 3.8銭 原則固定 |
100 通貨 |
サクソバンク証券(スタンダードコース) | 取引枚数によって変動 ※参考 2018年4月30日15時前後 1.4~2.3銭 |
5,000 通貨 |
サクソバンク証券(アクティブトレーダーコース) | 取引枚数によって変動 ※参考 スタンダードコースより狭い |
|
IG証券 | 5.0銭(最小) 8.0銭(標準) |
10,000 通貨 |
マネックス証券(FX PLUS)※2018年2月14日 | 取引枚数によって変動 最小で2.7銭 |
1,000 通貨 |
楽天証券(楽天FX)※2018年4月24日 | 6.8円 原則固定 |
1,000 通貨 |
楽天証券(楽天FXMT4)※2018年4月24日 | ||
SBI FXトレード※2018年4月17日 | 4.8銭 原則固定 |
1通貨 |
GMOクリック証券(FXネオ) | 2.9銭 原則固定 |
10,000 通貨 |
GMOクリック証券(くりっく365) | マーケットメイク方式で決定 | 10,000 通貨 |
FXブロードネット(くりっく365) | ||
外為オンライン(くりっく365) | ||
岡三オンライン証券(くりっく365) | ||
みんなのFX | 1.9銭 原則固定 |
1,000 通貨 |
インヴァスト証券(トライオートFX) | 5.5銭 | 1,000 通貨 |
マネースクウェア・ジャパン(M2JFX)※2018年4月20日 | 非開示 | 1,000 通貨 |
デューカスコピー・ジャパン※2018年4月20日 | 0.3~0.7銭 (2018/04/14~2018/04/20) |
1,000 通貨 |
FXトレード・フィナンシャル(FXTF MT4 1,000通貨)※2018年04月28日 | 15~50銭 | 1,000 通貨 |
FXトレード・フィナンシャル(FXTF MT4 10,000通貨)※2018年04月28日 | 10,000 通貨 |
|
OANDA Japan FX 東京サーバー | 1.9銭 原則固定(例外あり) |
10,000 通貨 |
アヴァトレード・ジャパン(ACT・Forex) | 1銭 | 1,000 通貨 |
アヴァトレード・ジャパン(ミラートレーダー) | 2.2銭 | 5,000 通貨 |
FOREX.com(MT4) | 取引システムにて確認 ※参考 USD/JPY 1.1~1.7銭 |
1,000 通貨 |
FOREX.com(ヴァントレ) | 取引システムにて確認 ※参考 USD/JPY 1.3~1.9銭 |
|
フィリップ証券(フィリップFX ミニ口座) | 未開示 | 10,000 通貨 |
セントラル短資FX(FXダイレクトプラス) | 2.5銭 | 1,000 通貨 |
上記を見ますと、高水準であるのは「デューカスコピー・ジャパン」、「アヴァトレード・ジャパン」、「FOREX.com(最小時)」であり、単純にスプレッドのみを重視すれば「デューカスコピー・ジャパン」がおすすめです。
なお、上記の比較は一時期のもので、変動する可能性もありますので、ご注意ください。
まとめ
トルコリラは金利が高く、他の通貨と比較しても多くのスワップポイントが得られます。
トルコは経済成長率が高く、投資に必要な資金も少額なため、そういった面では魅力的な通貨といえます。
ただし、トルコリラに投資する際には、高いリスクも伴います。
リーマンショックの影響によりレートが不安定で、円高傾向が続いております。
リスクを意識した上で、資金管理やレバレッジ設定などを工夫して、運用する必要があります。
また、得られるスワップポイントやスプレッドなどは各FX会社で異なります。
トルコリラでスワップ運用する際には、口座開設前に上記の点もご確認ください。